やっぱり文法を

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6文型

  • 動詞は基本的には自動詞か他動詞かのどちらか
  • 自動詞
    • 第一文型 (動詞だけで述語)
    • 第二文型 (動詞に続いて状態を表す形容詞などが補語として続く。繋合動詞。etre-動詞タイプ(be-動詞(英語))
  • 間接他動詞
    • 第四文型 (間接他動詞。前置詞 a, deを必ず取って、その前置詞+名詞を補語とする)
  • 他動詞
    • 第三文型 (直接目的語を取る。ただし他動詞なのに目的語を省略することもある)
    • 第五文型 (直接目的語と、前置詞 a, de + 名詞の二つ目の補語を取る。二つの補語の位置は入れ替え可能)
    • 第六文型 (二つの補語を取る)
  • 間接他動詞という分類については"なぜこれが重要かというと、例えば「de + 物」ならフランス語特有の中性代名詞「en」や関係代名詞「dont」に代わり、「à + 物」なら中性代名詞「y」や関係代名詞「auquel」に代わりますが、その前提として間接他動詞の存在を認識しておく必要があるからです。"と説明されている。。。確かに。
  • 逆に言うと、間接他動詞は、V-a, V-deと決まっている動詞であって、それは y-V, auquel V, en-V, dont V となることも決まっている動詞であるから、"V-a、またの形を y... V, auqel V", "V-de、股の形をen ... V, dont V"として、"V-a", "y...V"として覚えてしまえ、と言うことかもしれない。そういう形なのだから、目的語を代名詞にしても、それは代名詞にしてことさらに「それを」と想起してもよし、目的語を省略しても意味が通るから省略した、省略したが、y...V, en ...Vとなるのは「そういう飛び地を伴った動詞だから」というように意識してもよさそう
  • そんな間接他動詞のリストはこちら:

onsenpeggy.com

  • ちなみに、y,en,(le)などの中性代名詞が動詞の前に来ることを、「それも含めて代名詞を省略した動詞の形なのだ」と割り切るにしても、それ以外に、人称代名詞をどうするか、とか、否定(副詞用法)とのからみで語順をどうするか、という問題との絡みもあって複雑になる。それらの語順を絵にしたのがこちら:

https://francais-method.com/wp/wp-content/uploads/2019/12/%E3%81%93%E3%82%99%E3%81%97%E3%82%99%E3%82%85-1024x727.png

  • これらすべてを「間接他動詞の活用形」と思ってしまうのも「アリ」かもしれない
  • 格変化のしっかりした言語(ロシア語とか)であれば、第六文型の二つの補語の格は違う。また、前置詞+名詞に特定の代名詞化があるところも、代名詞の格のような取り扱いとみなしてもよさそう。前置詞がa, deに限定されているところは、ロシア語に比べてずいぶん簡単
  • 第四文型と第五文型はそれぞれ、自動詞と他動詞に、前置詞 + 名詞が補語として意味を添える、と解釈することも多分可能だが、a,deとその前置詞 + 名詞の代名詞化の多さと重要性から取り立てられていると考えてもよさそう。
  • 第五文型の"Il charge un camion de pierres."は「彼はトラック(un camion)に石を積む」という文。これを英語的な直接目的語(●●をxxする)的に読もうとすると違和感がある。ロシア語では、動詞が補語を取るとき、「主語的補語が、別の補語をとって、状態を変えることを表す動詞によって述語の主体となる」ので、違和感はない。「彼は『積む』という動作をして、その結果、トラックの上に石が乗る」という意味だから
  • 第六文型の二つの補語は、第一補語=第二補語 的な関係(etre動詞で結び付けられる関係)。英語のBill told them the story.のような文型はフランス語にはないということだろう

助動詞

  • 助動詞
    • 助動詞は主語に応じて形を変えるという動詞的特徴を持ち
    • 動詞を後続することで、その動詞に意味・色・働き方を添える
    • ロシア語では、助動詞はなく、英語(仏語)の助動詞的な働きをする単語は格変化をもたない「副詞」になっている
  • 助動詞と準助動詞
    • 英語が助動詞によって添えている意味・役割を、仏語では助動詞と準助動詞と呼ぶ2種類で賄う
    • be動詞, have動詞に相当する仏単語が「助動詞」、can, should, wantなどに相当する仏単語が「準助動詞」
    • 助動詞は過去分詞を取り、準助動詞は不定形を取る
    • 英語の助動詞は(自身で格・時制変化をしつつ)不定形を取る
    • ロシア語の(助動詞的な意味を添える)副詞は(自身で格・時制変化をせず)、後続の動詞が格・時制変化する
  • 助動詞の添える意味は、複合過去と受動態。受動態を含むので、受動と密接な関係にある再帰とも絡む
  • 準助動詞が添える意味は、pouvoir (can, may), vouloir (want), devoir (must)の意味。aller, venirも不定形を取って、近接未来(~しようとしている)・近接過去(~したばかりだ)を表す。

直説法の8つの時制

  • 時制は8通り
    • 単純時制と複合時制
    • 単純と複合とにそれぞれ4つの時制があり、併せて8つの時制
    • (現在・半過去・単純過去・単純未来)・(複合過去・大過去・前過去・前未来)
  • 現在
    • 『彼は窓を閉めている』:窓を閉めるという行為をしているが、窓が結果として閉まるかどうかは不明
He is closing the window. He closes the window.
Он закрывает окно..不完了動詞 закрывать 現在,三人称,単数 能動形
Il ferme la fenêtre. 現在形
  • 半過去
    • 過去の時点で、「現在」的な表現(過去の時点で~比較的継続して起きること、過去の時点で~する習慣があったなど)をするときに半過去
    • ロシア語で言えば、不完了動詞の過去
    • nous, vous 以外は、(語尾綴りは違えど)発音は同じ
    • ロシア語の過去形も、(発音という意味では)1人称・2人称という考え方はせず、性・数のみで区別する。「過去の私」「過去のあなた」は「現在の私・あなた」と切り離して第三者的に見ていることになるという点で、ロシアのいわゆる過去形と通じるところがある、と言ったところか。それを言うと英語の過去形も人称区別はないが…
  • 単純過去
    • 「単純過去」とは、"「現在の状態とは関係のない、一回きりの過去」です。複合過去と比較してみましょう。複合過去(2)を使うと、「過去の出来事の結果、今はこうなっている」という現在の状態も暗示します。「彼は戸を開けた。ただ、その結果として今も戸が開いているかどうかはわからない」ことになります。今の状態とは無関係に、単純に過去の出来事を述べているだけです。これが単純過去です。" と説明されている
    • ということは、不完了動詞の過去形であって、動作が行われることそれだけを表現するのが単純過去
    • 複合過去が主観的、単純過去が客観的、と説明されることもあるようだ
    • 人称が違っても発音は同じである半過去の説明でロシア語の過去形と「私・あなたの客観視」とを絡めて説明したが、単純過去でも同様のことが言えるようだ
    • 少しまとめると
      • ロシア語の不完了動詞の過去形が表す2種類の意味(過去の時点でまさに起きていること(過去時点での(現在)進行形)と、それ以外の過去時点での出来事であってその帰結に興味がないこと)を、仏語では、単純過去と半過去とに分ける、ということ(のようだ)
      • その意味では、「半過去」と「単純過去」は時制の観点からは同類で、露語で言うところの「不完了動詞過去」と「完了動詞過去」に対応するとも言えそうだ
      • 実際、単純過去は『現在の状態とは関係のない、一回きりの過去』と説明されており、「完了体動詞」の説明に近い
  • 複合過去
    • 『彼は窓を閉めた(結果として窓は閉まった )』
He closed the window.
Он закрыл окно. закрыл 完了動詞 закры́ть 過去,単数,男性 能動形
Il a fermé la fenêtre. 複合過去
    • 『彼は窓を閉めていた(結果として閉まったかどうかは不明。彼が閉めるという動作を行っていたことは事実)』
      • ロシア語では区別があるが、英仏では区別がない
He closed the window.
Он закрывал окно. 不完了動詞 закрывать 過去,単数,男性 能動形
Il a fermé la fenêtre.
  • 大過去と前過去
    • 大過去と前過去は複合過去の「過去版」
    • 複合過去は、「過去に起点を置いた動作」が「現在に影響している」ことを表しており、その「現在への影響」をavoir, etreの現在形(の格変化体)を使うことで意味していると解釈できる (か?)
    • 大過
      • 大過去は、avoir, etreの「半過去形」を使った複合過去
    • 前過去
      • 前過去は、avoir, etreの「単純過去形」を使った複合過去
  • 未来形
    • 単純未来と前未来
    • 単純未来は「未来形」で表し
    • 前未来はavoir (etre)の単純未来形と過去分詞の組み合わせ

再帰代名詞

  • 仏語の動詞と目的語の関係は
    • 直接目的語=「~を」とする英語のそれで考えるより
    • 「動作・変化」を表す単語に補語として後続する「変化が及ぶ対象物(名詞)」とする、露語的な考え方をする方がわかりやすい
  • 露語では -ся動詞と呼ばれる(大量の)再帰動詞的な動詞が存在するが、この-ся動詞も受身として考えたり、-selfを動詞の露語的な目的語と考えたりして意味が定まる
  • 仏語もそれで考えればよいようだ

中性代名詞

  • そもそも「代名詞」はごちゃごちゃしている
  • 「代名詞」ではなくてpro-formとして扱う方が文法的
a pro-form is a type of function word or expression that stands in for 
(expresses the same content as) another word, phrase, clause or sentence 
where the meaning is recoverable from the context.

Pro-form - Wikipediaより

  • なんでも、「すでに言ったこと・もの」を繰り返して言及しつつ、単語の繰り返しは避けたいと思うもの。そんなときに使うのが「中性代名詞」
  • 仏語では、名詞は前置詞de + 名詞、 a + 名詞の形をとることが(とても)多い。第四文型・第五文型はde, a で決まっている
  • そのde, aに対応するのが en, y
  • 前置詞 de + 名詞もenで代名詞化するが、定冠詞 de, des + 名詞もen で代名詞化する(?)
  • それ以外に対応するのが le
  • le はとても軽く、名詞をとったり文をとったり形容詞を取ったりと、「なんでもあり」

分詞

  • 動詞が元となってできる単語とそれを用いた表現
    • 形容詞的な単語になったのが分詞
    • 副詞的表現に組み込まれているのが分詞構文
  • 露語だと、形動詞、副動詞とができるが、意味的にはそれに相当するのだろう
  • 英語の分子は現在分詞、過去分詞(受動態的)の区別しかないが、動詞を形容詞的に用いるという「分詞」の原義に戻れば、時制と能動・受動との組み合わせで色々なものが作れる。露語は実際、そうしているし仏語も露語ほど徹底していないがその傾向を持つ
  • 分子~形容詞的
    • 露語では動詞から作られる形容詞には単語尾形と長語尾形とがある
      • 短語尾形は述語的に用いられる。形容する相手としての名詞を持たない(もしくは、常に主格的)であることから、語尾変化がない
      • 長語尾形は掛かる名詞が存在し、その名詞と対応することがわからないといけないので格・性数変化する
    • 仏語の分子の現在分詞は格・性数変化しないとのこと。短語尾形的。過去分詞は性数変化するとのことで、長語尾形的

関係代名詞

  • 主格 qui
  • 対格 que
  • 場所・時(ある意味造格?) ou
  • 前置詞 + xxx の場合
    • de + xxx は donc 「xxx の (whose, of which)」
    • de以外 + xxx はlequel (または qui) , quoiの2つ(3つ)

条件法・接続法

  • 法についてはこちらを:

ryamada222222222.hatenablog.com

  • 直説法というのは、実際に起きること起きることを述べること
  • それ以外の動作・述部は、「起きる・起きた」こととは違うので、違うように語形変化させる
  • 英語だと、直説法と仮定法と(あと少し)くらいしかないので、仏語の接続法などで混乱するが、露語のように法がたくさんあると、仏語の法も簡略化されているのだとわかる